鉄道や高速道路などの案内や標識で、「上り」、「下り」というものがあります。

一般的には「上り(東京方面)」、「下り(東京方面の逆)」と言われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?

今回は「上り」、「下り」について書いてみました。

明治維新までは京都が中心!

引用元:心みちるたび

基本的には首都(東京)へ方面に向かうことを上り(のぼり)、首都から離れることを下る(くだる)と理解されています。

地方の人が東京へ行く(移住する)ことを「上京(みやこへ上るという意味)する」と言いますよね。

明治維新以降は東京へ向かうことを「上る(のぼる)」と言いますが、江戸時代までは京都へ向かうことを「上る(のぼる)」と言っていました。

引用元:京都文化博物館

例えば、戦国時代に「織田信長が足利義昭を報じて上洛した」という出来事がありましたが、現代風に言えば「織田信長が足利義昭を擁立して京都に(軍勢を引き連れて)向かった。」という感じになります。

京都が首都だった時代は1200年近くありますが、当時の「上る」というのは、「京都に向かうこと」でした。

現在は、「上り」、「下り」の表記は鉄道や高速道路の案内や表記に使われることが多いですが、次に鉄道、高速道路について見て行きたいと思います。

鉄道や高速道路には起点・終点がある

引用元:LINEトラベル

鉄道や高速道路などでは、東京方面に向かうことが「上り」、反対に遠ざかることが「下り」と先程書きましたが、実は違います。

正確には鉄道や高速道路には起点と終点があり、原則として起点に向かうことが「上り」、終点に向かうことが「下り」とされています。

しかし、例外もあります。

鉄道だと、JR中央本線(東京都と愛知県)です。

※起点が東京駅、終点が名古屋駅です。

ところが、塩尻駅(長野県松本市)の西側の区間は、名古屋行きが「上り」列車として運行されています。

※塩尻駅の東側区間は東京行き(新宿行き)が上りになっています。

これは塩尻駅以西がJR東海、塩尻駅以東がJR東日本と管轄が変わることも理由の1つのようです。

例外は高速道路にもあります。

北陸自動車道(高速道路)ですが、起点が新潟県新潟市、終点が滋賀県米原市です。

なので、新潟方面が「上り」で、米原方面が「下り」になりますが、開通した際、JR北陸本線にあわせて米原方面がを「上り」、新潟方面を「下り」と変更しています。

引用元:北日本新聞社

しかし、並走する国道8号は新潟方面が「上り」のままになっています。

国道には、 大正時代の政令に「東京市より○○府県庁所在地○○に達する路線」と定められており、起点は全路線とも東京(日本橋の道路元標)だったことに由来しています。

でも、新潟と滋賀だとどっちが東京方面かと言うと、けっこう分かりにくいですよね。

中央本線や北陸自動車を見ると、混乱しますが、原則は起点に向かうことが「上り」、終点に向かうことが「下り」となっています。

近年は、「上り」・「下り」を使わない

近年は鉄道や高速道路でも、「上り」、「下り」の表記や案内をせず、「〇〇方面」や「〇行き」などを活用しています。

鉄道だと、東京メトロでは終点方面に向かう路線を「A線」、起点方向に向かう路線を「B線」と呼んでいたり、JR京浜東北線だと大宮駅方向に向かう列車を「北行き」、大船駅方向に向かう列車を「南行き」と区別しています。

これらは乗客は使わないことが多いですが、駅員や乗務員などはこれで区別していると言われています。

ラジオの渋滞情報でも、首都高速湾岸線の千葉方面を「東行き」・横浜方面を「西行き」、阪神高速湾岸線の神戸方面を「北行き」・関西空港方面を「南行き」と案内していることがあります。

まあ首都高速、阪神高速だと「上り、下り」なんて分からないですよね。

鉄道や高速道路の案内や表記ですが、よく見てみると新しい発見があって楽しいかもしれませんよ。

以上、ここまでお付き合いありがとうございました。